第一幕 歌に生き恋に生き
「トスカ」の中で最も盛り上がるアリアです。多くのソプラノのアリアの中でも最高傑作と言われています。窮地に追い込まれたトスカがこれまでの信仰や芸術に生きていたのにと自分の運命に嘆き訴える歌です。
歌に生き、愛に生き、
ひとたびも生ける者に悪しきことなさざりき!
ひそやかに、かずかずの貧しきに手をのべて、救いたり。
まことなる信仰もちて、いつの日も、
わが祈りをば祭壇にのぼせしに、
まことなる信仰もちて、いつの日も、
祭壇にみ花捧げしに、悲しみに苦しめるいま、
なにゆえに、などて、主よ、かく報いたもうや?
宝石のかずかずを、マドンナのみころもに、
歌によりいやましに微笑え みかくる。
み空なる星々に、その歌を捧げしに、
悲しみに苦しめるいま、
なにゆえに、などて、主よ、
ああ、などて、かく報いたもうや?
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